介護費用の負担を軽くする公的制度|申請前に確認したいこと
「親の介護が始まったら、月いくらかかるんだろう」「貯金がいつまで持つか不安」——介護を控えた40〜50代が特に不安を感じやすいのがお金です。
まず確認することは3つです
- 使える制度の種類
- 申請先の窓口
- 親の所得区分や介護度
「介護費用が払えない」「親の介護で使える制度は?」「高額介護サービス費とは?」と不安な方は、制度名より先に申請先と条件を確認しましょう。
「親 介護 費用」「介護費用 負担 軽減」と調べている方は、まず使える制度と申請先を分けて確認しましょう。高額介護サービス費、介護保険負担限度額認定、自治体独自の支援などは、所得や介護度、施設の種類で確認点が変わります。
介護費用の現実|まず制度を確認する

介護費用は、介護度・使うサービス・在宅か施設か・親の所得区分によって大きく変わります。同じ「親の介護」でも、月々の負担や申請できる制度は家庭ごとに違います。
そのため、最初に見るべきなのは平均額だけではありません。市区町村の介護保険窓口で、親の介護度、所得区分、使える軽減制度を確認してから、家族で負担の分け方を考えると進めやすくなります。
制度①:高額介護サービス費|まず確認したい負担軽減
1ヶ月間の介護サービス自己負担額が一定額を超えると、超えた分が後で払い戻される制度です。所得に応じた上限額 が設定されています。
| 所得区分 | 月の自己負担上限 |
|---|---|
| 現役並み所得者Ⅲ(年収約1,160万円〜) | 140,100円 |
| 現役並み所得者Ⅱ(年収約770〜1,160万円) | 93,000円 |
| 現役並み所得者Ⅰ(年収約383〜770万円) | 44,400円 |
| 一般(住民税課税世帯) | 44,400円 |
| 住民税非課税世帯 | 24,600円 |
| 年金収入80万円以下等 | 15,000円 |
- 申請窓口:市区町村の介護保険担当課
- 申請方法:上限を超えた月の翌々月以降、自治体から「支給申請書」が郵送される。必要事項記入+振込口座を添えて返送
- 初回のみ申請:一度申請すれば、次月以降は自動で振り込まれる自治体が多い
- 注意:施設の食費・居住費・日常生活費は対象外
制度②:高額医療・高額介護合算療養費
1年間(8月〜翌7月)の医療費+介護費の合計が一定額を超えると、超過分が払い戻されます。医療と介護を両方使っている親に効きます。
- 対象:同一世帯で医療保険+介護保険を利用している場合
- 年間上限額の目安:所得に応じて19万円〜212万円
- 申請窓口:市区町村の介護保険担当課 + 加入している医療保険(後期高齢者医療広域連合など)
- 申請期限:超過した年度の翌7月31日まで遡って2年以内
高額療養費の詳しい仕組みは 高額療養費制度とは?親が入院したときに知っておくべきお金の話 で解説しています。
制度③:特定入所者介護サービス費(補足給付)
介護保険施設(特養・老健・介護医療院・ショートステイ)に入所する低所得者向けに、食費と居住費を軽減 する制度。介護保険サービスの「補足給付」とも呼ばれます。
- 対象:住民税非課税世帯 など一定の所得・資産要件を満たす方
- 軽減額:月5〜10万円程度(食費・居住費の負担限度額が引き下げられる)
- 資産要件:単身で預貯金1,000万円以下、夫婦で2,000万円以下など
- 申請:「介護保険負担限度額認定証」を市区町村の介護保険担当課で取得
有料老人ホーム・サ高住は対象外。「特養に入りたいけど費用が…」という方には大きな救済になります。
制度④:介護休業給付金|家族(子世代)を支える
働く子世代が親の介護のために休業した場合、雇用保険から給付金が出ます。これを知らずに「介護離職」してしまうと大負担です。
- 対象:要介護2以上の家族を介護する雇用保険加入者
- 支給額:休業前の給与の 67%(上限あり)
- 期間:通算 93日まで(大きな3回に分割可)
- 申請:勤務先 → ハローワーク経由で申請
「短期間でいいから介護に集中したい」というケースで使うと、収入の減少を抑えながら親と向き合えます。介護休業中も社会保険料は引き続き支払う必要があるので、その点だけ注意。
制度⑤:住宅改修費|在宅介護を支える
在宅介護のために自宅をバリアフリー化する場合、介護保険から大きな 20万円 まで補助が出ます。
- 対象工事:手すり設置・段差解消・床材の変更・引き戸への交換・洋式トイレへの変更など
- 自己負担:1〜3割(所得による)。20万円の工事なら自己負担2〜6万円
- 申請:工事前にケアマネジャーに相談 → 市区町村への事前申請が必要
- 注意:工事前に申請しないと補助対象外になる場合があります。着工前に事前確認
制度⑥:福祉用具購入費・レンタル
介護用ベッド・車いす・手すりなどの福祉用具に介護保険が適用されます。
- レンタル可能なもの:介護ベッド・車いす・歩行器など(月数百〜数千円)
- 購入のみ可能なもの:腰掛便座・入浴補助具・ポータブルトイレなど。年間 10万円 までが介護保険対象
- 自己負担:1〜3割
- 注意:レンタル可能なものをわざわざ購入すると介護保険対象外
制度の使い分け|状況別の優先順位

在宅介護の場合
- ① 高額介護サービス費(月の上限)
- ② 住宅改修費(バリアフリー化)
- ③ 福祉用具レンタル・購入
- ④ 高額医療・高額介護合算(年間上限)
- ⑤ 子の介護休業給付金
施設入居の場合
- ① 特定入所者介護サービス費(食費・居住費の軽減)
- ② 高額介護サービス費(月の上限)
- ③ 高額医療・高額介護合算(年間上限)
有料老人ホームは①の対象外なので、費用面では特養の方が圧倒的に有利。介護施設選び方ガイド で施設タイプ別の比較を確認してください。
迷ったら相談すべき窓口
① 地域包括支援センター(最初に相談しやすい無料窓口)
市区町村ごとに設置されている総合相談窓口。介護保険申請から制度活用まで、無料でケアマネージャーや社会福祉士が対応。介護のことで分からないことがあれば、まずここに電話。
② ケアマネジャー(要介護認定後)
要介護認定が出ると専属のケアマネが付きます。本人の状況に合わせて適切な制度を案内してくれるため、漏れなく活用するには欠かせません。
③ 市区町村の介護保険担当課
申請書類の提出先です。電話相談も可能ですが、複雑な手続きの場合は、窓口で状況を伝えて必要書類を確認すると進めやすくなります。
お金や介護の話は、家族で共有できる形にしておく
制度や費用を調べるだけで終わると、いざという時に家族が動きにくくなります。確認した内容は、重要書類の場所、連絡先、親の希望と一緒に残しておくと次の行動につながります。
まとめ:「知らない」は負担。まず1本電話を
介護費用の負担軽減制度は、知っているか知らないかで 負担が変わる場合 の差が出ます。「複雑そう」「自分は使えなさそう」と諦める前に、地域包括支援センターに1本電話してみてください。所要時間は5分。それだけで、家族の経済負担が大きく変わります。
あわせて、介護費用シミュレーター で「貯金がいつまで持つか」を計算しておくと、より具体的な備えができます。
介護や認知症の不安が出たら、家の情報も少しずつ整理する
介護の判断とあわせて、重要書類・スマホ情報・実家の片付け方を早めに確認しておくと、後から家族が動きやすくなります。
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介護の全体像も確認する:費用だけでなく、在宅で続けるか施設を検討するかも早めに整理すると迷いにくくなります。判断軸は 在宅介護と施設介護の違い、施設の種類は 親の介護施設の選び方 も参考になります。
介護費用は、制度・年金・施設費を分けて見る
介護費用が不安なときは、制度名だけを調べるより、親の年金、使える公的制度、在宅か施設か、医療費の負担を分けると整理しやすくなります。申請先は自治体や地域包括支援センターで確認しましょう。
介護費用の軽減制度は、地域包括支援センターや自治体で確認
介護費用の負担軽減は、介護保険の利用状況、所得、世帯、施設の種類などで変わります。この記事では制度の入口を整理し、実際に使えるかどうかは地域包括支援センター、ケアマネジャー、自治体窓口で確認してください。
よくある質問(FAQ)
Q. 親の介護費用が不安な時は、どこに相談すればいいですか?
まずは地域包括支援センターや市区町村の介護保険窓口、担当ケアマネジャーに相談しましょう。使える制度は所得、介護度、サービスの種類で変わるため、自己判断であきらめずに確認することが大切です。
Q. 介護費用の負担軽減制度は、申請しないと使えませんか?
制度によっては申請が必要です。高額介護サービス費や負担限度額認定などは、条件や必要書類があるため、市区町村の窓口で対象になるか確認しましょう。
Q. 介護費用の相談はどこにすればいいですか?
まずは地域包括支援センターや自治体の介護保険窓口に相談できます。家庭の状況により使える制度が変わります。
Q. 申請前に準備するものはありますか?
介護保険証、本人確認書類、収入や年金がわかる書類、医療や介護の領収書などを確認しておくと相談しやすくなります。
Q. 制度を使えば負担は軽くなりますか?
制度ごとに条件があります。使えるとは限らないため、親の所得や介護度、世帯状況をもとに窓口で確認しましょう。


