在宅介護 vs 施設介護|選び方の4つの判断軸と費用比較【2026年版】
「親に介護が必要になりそう。でも、自宅で看るのか施設に入れるのか、どう決めればいいの?」——介護が現実味を帯びてきた40〜50代の多くが、最初にぶつかる大きな分岐点です。
本記事では 在宅介護と施設介護の違いを徹底比較 し、費用・家族負担・本人の希望・介護度の4つの判断軸から「我が家の場合はどっち?」を整理できるようにまとめました。判断に迷ったときの実例も紹介します。
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- 費用の目安:在宅 月8〜15万円/施設 月10〜30万円(介護度や施設タイプで変動)
- 家族の労力:在宅は日2〜10時間の介護労働、施設は面会+手続きで月10〜20時間
- 本人の希望:日本の高齢者の約7割は「住み慣れた家で過ごしたい」と回答。ただし家族の負担とのバランスが必須
- 判断の4軸:①介護度/②家族構成(介護者の有無)/③経済状況/④本人の希望
- 無料相談:地域包括支援センター(市区町村ごと)に行けば、状況に応じた選択肢を案内してもらえる
在宅介護とは|自宅で介護を続けるかたち
在宅介護とは、本人が住み慣れた自宅で生活を続けながら、家族・介護保険サービス・地域の支援を組み合わせて介護を行う方法です。
- 主な介護サービス:訪問介護(ホームヘルパー)/訪問看護/デイサービス(通所介護)/ショートステイ/福祉用具レンタル
- 家族の役割:食事・排泄・入浴介助、見守り、通院付き添いなど
- 介護保険の利用:要介護認定を受けると、ケアプランに基づいてサービスを月額1〜3割負担で利用可能
施設介護とは|介護専門の住まいに移るかたち
施設介護とは、本人が介護施設(特養・有料老人ホーム・サ高住・グループホーム等)に入居し、24時間体制で専門スタッフによる介護を受ける方法です。
- 主な施設タイプ:特別養護老人ホーム/介護付き有料老人ホーム/住宅型有料老人ホーム/サ高住/グループホーム
- 家族の役割:面会・通院付き添い・施設との連絡・費用支払い管理
- 選び方の詳細:親の介護施設選び方ガイド に施設タイプ別の比較を掲載しています
在宅介護 vs 施設介護|徹底比較表

| 項目 | 在宅介護 | 施設介護 |
|---|---|---|
| 月額費用 | 8〜15万円 | 10〜30万円 |
| 入居一時金 | なし(住宅改修10〜30万円) | 0〜数千万円 |
| 家族の労力 | 日2〜10時間の介護 | 月10〜20時間(面会・連絡) |
| 本人の自由度 | 高い(住み慣れた環境) | 制約あり(集団生活) |
| 介護の質 | 家族の介護力に依存 | 専門スタッフが24時間 |
| 緊急時対応 | 家族+訪問看護に依存 | 常駐スタッフが対応 |
| 本人の精神面 | 安心感あり | 環境変化のストレスあり |
| 家族の精神面 | 負担大・燃え尽きリスク | 距離があり気持ちに余裕 |
表を見ると分かるとおり、「どちらが優れている」ではなく「どちらが向いているか」の問題です。家族の状況と本人の希望で最適解は変わります。
判断の4つの軸

軸①:親の介護度
- 要支援1〜2/要介護1〜2:在宅介護が現実的。訪問介護・デイサービスで十分カバーできる
- 要介護3〜4:在宅も施設も選択肢。家族の介護力との相談
- 要介護5:医療的ケアが必要なら施設が安心。在宅でも訪問看護・医療連携で可能
- 認知症の進行が早い場合:徘徊・暴言などで在宅が困難になることが多い → グループホーム検討
軸②:家族構成(介護者の有無)
- 同居家族あり+介護できる人がいる:在宅介護が選択肢に
- 同居家族が働いている:日中はデイサービスで在宅可能。ただし重度化したら見直し
- 一人っ子+遠距離:施設介護が現実的。遠距離の親の終活 も参考に
- 配偶者も高齢で介護できない:「老老介護」になるので施設検討
軸③:経済状況
- 親の年金+貯蓄で月15万円以内:在宅介護+特養待機が現実的
- 月20万円以上の負担可能:有料老人ホームも選択肢
- 子世代の援助前提:「いくらまで出せるか」を兄弟で事前に話し合う
- 軽減制度:高額介護サービス費・特定入所者介護サービス費などで負担軽減可
軸④:本人の希望
厚生労働省の調査では、日本の高齢者の約7割が「自宅で過ごしたい」と回答しています。本人の希望は最大限尊重すべきですが、家族が燃え尽きてしまえば結局共倒れに。「本人の希望」と「家族の継続可能性」のバランスを取る視点が大事です。
よくある選択パターン3つ
パターン①:初期は在宅、重度化したら施設へ
もっとも多いパターン。要介護1〜2のうちは訪問介護+デイサービスで在宅、要介護3〜4で家族の負担が限界に近づいたら施設検討。あらかじめ「ここまでなら在宅」のラインを家族で決めておくと切り替えがスムーズです。
パターン②:最初から施設、家族は面会で支える
遠距離・一人っ子・配偶者が高齢などで、家族介護が現実的でないケース。最初から有料老人ホームに入居し、家族は週1〜月1の面会で関わる。本人にも家族にも無理がなく、関係を良好に保てるパターンです。
パターン③:本人の強い希望で在宅を貫く
「最期まで自宅で」という本人の希望が強い場合。訪問看護・訪問診療・小規模多機能型居宅介護などをフル活用して在宅介護を支える。家族の負担が大きいので、レスパイトケア(ショートステイで一時的に預ける)を組み合わせるのがポイント。
迷ったときの相談窓口
① 地域包括支援センター(最初の一歩・無料)
市区町村が運営する介護の総合相談窓口。介護保険の申請、ケアマネ紹介、施設情報まで無料で対応。介護が必要そうだと感じたら、まずここに電話。
② ケアマネジャー(要介護認定後)
要介護認定が出るとケアマネが付きます。本人・家族の希望を聞いて、在宅・施設のどちらが向いているか具体的に提案してくれます。
③ 老人ホーム紹介サービス(施設検討時)
施設に傾いた段階で、複数施設を一括で資料請求できる民間サービスを使うと比較が早いです。
📎 あわせて読みたい:介護費用の不安が大きい方には、公的な軽減制度の活用が有効です。詳しくは 介護費用の負担を軽減する6つの公的制度 をご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 在宅介護は何年続けられるもの?
平均すると 5〜10年 が一般的。要介護度が進行するほど家族の負担も増えるため、途中で施設に移行するケースが多数。「ずっと在宅」を前提にせず、状況変化に応じて見直す視点が大事です。
Q2. 仕事と介護の両立は可能?
軽度〜中度ならデイサービスとショートステイの併用で可能。要介護3以上になると、介護休業制度・時短勤務・テレワークなど勤務先の支援制度を活用しないと厳しい。介護離職は経済的にも大きな損失なので、施設介護も含めた選択肢を持っておくのが安全です。
Q3. 親が「施設は嫌」と言ったらどうする?
無理に説得せず、まず一緒に施設見学に行くのがおすすめ。実際の施設を見ると「思ったより明るい」と印象が変わるケースが多いです。それでも嫌なら在宅をベースに、家族が燃え尽きないようレスパイトケアを活用する形が現実的。
Q4. 兄弟で意見が割れたら?
「親と同居している兄弟」「離れている兄弟」「経済的に余裕がある兄弟」で立場が違うので意見が割れがち。「現状の費用・労力を一覧化」してから話し合うのが鉄則。感情論ではなく数字で議論すると合意しやすくなります。
Q5. 在宅介護費用の補助制度は?
住宅改修費(最大20万円)/福祉用具購入費(年10万円)/介護休業給付金(最大93日間給与の67%)など。地域包括支援センターで詳しく案内してもらえます。
まとめ:「どちらか」ではなく「組み合わせ」の発想で
在宅介護と施設介護は二者択一ではありません。初期は在宅 → 中期はデイサービス併用 → 重度化で施設と段階的に移行するのが現実的なケースが多いです。
大切なのは「最初に1つに決める」ことではなく、「状況に応じて見直していく」前提で家族で話し合っておくこと。判断材料が不足しているなら、まず地域包括支援センターに電話するところから始めてみてください。


