準確定申告のやり方|4か月の期限・必要な人・確認書類
離れて暮らす親が亡くなり、年金の源泉徴収票や医療費の領収書を見つけたものの、準確定申告が必要か分からない40〜50代の子世代へ。準確定申告は全員に必要ではなく、まず親が確定申告を必要とする所得状況だったかを確認します。
最初に確認する4つ
- 親の年金・給与・事業・不動産・株などの所得
- 前年分の申告が終わっているか
- 相続の開始を知った日と4か月の期限
- 提出を担当する相続人と還付金の受取方法

準確定申告は、亡くなった人の所得を相続人が申告する手続き
年の途中で亡くなった人について、1月1日から死亡日までに確定した所得と税額を計算し、相続人等が申告・納税する手続きです。期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です。
親が亡くなった日が1月1日から通常の確定申告期限までで、前年分の申告も未提出だった場合は、前年分と本年分の両方を同じ4か月以内に提出するケースがあります。
国税庁の現在の案内
納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)で、4か月の期限、複数の相続人がいる場合、付表、医療費控除の扱いを確認できます。
必要かどうかは、親の所得と申告状況で判断する
| 親の状況 | 確認すること |
|---|---|
| 個人事業・不動産所得がある | 帳簿、収支内訳書・青色申告決算書、前年の申告書 |
| 複数の給与や給与以外の所得がある | 源泉徴収票と申告義務 |
| 公的年金が中心 | 年金額と年金以外の所得が申告不要制度の条件内か |
| 株式・投資信託・暗号資産などがある | 口座区分、年間取引報告書、利益・損失 |
| 前年の確定申告が未提出 | 前年分も準確定申告の対象になるか |
| 源泉徴収された税金が多い | 医療費控除などによる還付の可能性 |
『年金だけだから不要』『医療費が多いから必ず戻る』とは決められません。年金の源泉徴収票、通帳、前年の申告書控えを用意し、親の死亡時の納税地を管轄する税務署へ確認します。
複数の相続人がいる場合は、共同提出と個別提出を選べる
相続人等が2人以上いる場合、各相続人等が連署して提出する方法があります。一方、国税庁は、他の相続人等の氏名を付記して各人が別々に提出することもできると案内しています。
- 代表して書類を集める人を決める
- 申告内容と税額・還付額を相続人間で共有する
- 共同提出か別々の提出かを税務署へ確認する
- 別々に提出した人は、他の相続人へ申告内容を通知する
準確定申告はe-Taxでも提出できる
所得税・復興特別所得税の準確定申告は、2020年分以後についてe-Taxに対応しています。『書面提出が基本』と決めつけず、相続人の人数と還付金の受取方法に応じて選びます。
国税庁の準確定申告e-Tax対応では、申告書・付表に加え、相続人が複数いる場合の確認書や、代表者が還付金を受け取る場合の委任状が案内されています。
必要書類を5つに分けて集める
| 分類 | 主な資料 |
|---|---|
| 所得 | 給与・年金の源泉徴収票、事業帳簿、不動産収入、取引報告書 |
| 控除 | 社会保険料、生命保険料、地震保険料、寄附金の証明書 |
| 医療費 | 死亡日までに親が支払った医療費の明細・通知 |
| 相続人 | 付表、各相続人の住所・続柄・マイナンバー確認資料 |
| 提出・還付 | e-Taxの確認書・委任状、還付金を受け取る口座 |
医療費は、誰がいつ支払ったかを分ける
準確定申告で医療費控除の対象になるのは、死亡日までに亡くなった本人が支払った医療費です。死亡後に相続人が支払った医療費は、亡くなった本人の準確定申告には含められません。
ただし、死亡後に医療費を支払った相続人が、治療時または支払時に親と生計を一にしていた場合、その相続人自身の医療費控除に関係する可能性があります。領収書の日付、治療を受けた人、実際に支払った人を分けて保管してください。
提出までの5ステップ
- 死亡日と相続開始を知った日を記録する
- 前年の申告書と本年分の所得資料を集める
- 税務署へ申告の要否と提出方法を確認する
- 相続人間で共同提出・個別提出と還付金の受取方法を共有する
- 申告書と付表等を提出し、控えと受付日を保管する
相続放棄を検討中なら、申告前に確認する
準確定申告が必要でも、相続放棄を検討中は、誰がどの立場で申告するか慎重な確認が必要です。財産の受領・処分と同様に、自己判断で進めず、家庭裁判所、税務署、弁護士・税理士へ状況を伝えてください。
次に確認したい手続き
| 困りごと | 次に見る記事 |
|---|---|
| 死亡後の期限を一覧で見たい | 親が亡くなった後の手続きカレンダー |
| 相続放棄を検討している | 相続放棄の手続きと3か月の期限 |
| 親の借金が分からない | 借金を調べる前の確認リスト |
| 税務書類が見つからない | 親の重要書類チェックリスト |
| 高額療養費の還付を確認したい | 亡くなった親の高額療養費 |
よくある質問(FAQ)
Q. 親が年金だけなら準確定申告は不要ですか?
公的年金等の申告不要制度に該当する場合は不要なことがありますが、年金額や年金以外の所得で変わります。源泉徴収票を用意し、税務署へ確認してください。
Q. 相続人が複数いる場合、全員の連署が必須ですか?
共同で提出する方法のほか、他の相続人の氏名を付記して各人が別々に提出する方法もあります。提出方法と相互の通知を税務署へ確認してください。
Q. e-Taxで提出できますか?
2020年分以後の所得税・復興特別所得税の準確定申告はe-Taxに対応しています。相続人が複数いる場合は確認書、還付金を代表受領する場合は委任状が必要になることがあります。
Q. 親の死亡後に支払った入院費は医療費控除に入りますか?
親の準確定申告には含められません。支払った相続人自身の医療費控除に関係する場合があるため、生計同一の状況と支払日を税務署へ確認してください。
Q. 源泉徴収票が見つからない場合は?
給与は勤務先、年金は支払機関へ再交付や確認方法を聞きます。期限があるため、見つからないまま待たず、手元の通帳や通知書を持って税務署へ相談してください。
まとめ|申告の要否と提出方法を先に確認する
- 準確定申告は全員に必要な手続きではない
- 期限は相続開始を知った日の翌日から4か月以内
- 複数の相続人は共同提出だけでなく別々に提出する方法もある
- 2020年分以後はe-Taxに対応している
- 医療費は死亡日までに本人が支払った分を分ける


